最高裁判所第三小法廷 昭和25(し)67 決定
主 文
本件各抗告を棄却する。
理 由
弁護人清瀬一郎外九名の抗告趣意は末尾に添えた別紙記載のとおりである。
本件抗告人等に対する法人税法違反等被告事件金沢地方裁判所昭和二五年(わ)
第二乃至第五号記録を精査するに、右事件昭和二五年一一月一四日第一三回公判に
おいて弁護人より法人税法違反事件は収税官吏の告発がないから公訴提起の手続が
違法で無効である、よつて公訴棄却の裁判を求める旨申立て、裁判長は右申立に対
する判断を留保した後、裁判所は検察官申請の証人を採用した、次いで同年同月一
六日第一四回公判において弁護人より、無効な公訴を前提として訴訟手続を進行す
ることはできない、裁判長の前記処分は違法であるから取消を求める旨、刑訴第三
〇九条第二項に基き異議を申立て、又従つて検察官の申請証人を採用した裁判所の
決定も違法であるから取消を求める旨、同法同条第一項に基き異議申立をした、こ
れに対し裁判所は右訴訟手続上の処分並びに証拠調に関する異議の申立はいずれも
その理由がないから却下する旨の決定を言渡した事実を認め得るのである。されば
原決定は収税官吏の告発が右事案公訴提起の条件であるかどうかについては判断を
していないのであるから、原決定が所論引用の判決と相反する判断をしたものであ
るという所論は、前提において採用できない。従つて本件抗告はその理由がなく、
棄却せらるべきものである。
よつて刑訴第四三四条第四二六条第一項に従い主文のとおり決定する。
この決定は裁判官全員一致の意見である。
昭和二五年一二月二六日
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 長 谷 川 太 一 郎
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裁判官 井 上 登
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 穂 積 重 遠
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